画面設計で最も苦労した画面
本システムには色々な画面があるが、この注文管理画面が最も画面設計で苦労した。
満たすべき要件としては、
- 複数の自動売買ロジックによる建玉・注文が混在するが区別がつくこと
- 裁量取引による建玉・注文も混在するが区別がつくこと
- 本ツール以外での発注も想定すること(本ツールトラブル時に岡三ネットトレーダーでバックアップ発注等)
- 分割発注や分割決済にも対応すること
- 建玉と決済注文のひもづけが見えること
- 手動での新規注文、決済注文もこの画面で実施できること(手発注に対応)
- 手発注時は、項目入力型の発注と板発注のどちらにも対応できること
- 手発注での決済時は、建玉指定ができること
ちょっと整理の仕方が雑だが、ざっとこんなところだ。
要は、自動売買と裁量取引を併用しようとするから難しくなっている。
普通は(証券会社のツールの多くは)、建玉一覧、注文一覧、項目入力型の発注画面、板発注画面全て別画面。
いちいちメニューから呼び出さなければならない。
開きっぱなしにしておけば、ごちゃごちゃしていてじゃまだ。
そして、建玉と決済注文のひもづけが分からない。
また、建玉指定での決済ができない。せいぜい、建日順、利益順などの指定。
逆に言うと、建玉を指定しなくても決済できる。これがメリットにもなり得るが。
上記要件を1つの画面で実現できたら、かなり便利だ。
これら要件は画面設計のみならず、岡三RSSとのインターフェースにも関わってくるから、話が更に複雑になる。
逆指値注文をサラリと表示するのにちょっとしたヒネリが必要だったりする。
もちろん、岡三RSSとのインターフェースに関わるのは本画面だけではないので、「地雷を踏まないよう」に設計しなければならない。
苦労話はこの辺にして。下図がオンラインモードでの注文管理画面。
岡三RSS Excelファイルの内容紹介記事ではデータがなくさみしい状態であったが、
今回は実際に注文を出して玉を持った状態とした。
ちなみに、この玉は寄付きで売り買い同枚数(2枚ずつ)両建てしたもの。
引けで全玉決済する。そうすれば、場中どれだけ値が動こうが損益は手数料分のマイナス。
プログラムをテストするときはこのやり方をよく用いる。
もちろん、実際の玉を持たないとテストできないようなケースにおいてであるが。
手数料分のマイナスは必要経費と割り切っている。
岡三RSSで模擬売買ができれば良いのだが・・・
自動売買のときは、発注元となった自動売買ロジックのIDや自動決済設定項目が注文情報(グリッド2)のメモ欄に引き継がれ、約定後は建玉情報(グリッド1)へと引き継がれていく。(岡三RSS Excelファイルを介して)
そして、手じまいサインが発生すれば、TP(利食い設定値)やLC(ロスカット設定値)に到達していなくても決済される。
自動売買だけで運用するときは、手介入しない限りこの画面を表示させる必要はない。
手発注の場合は、画面下方の「新規発注」グループボックス内にある「自動決済設定」6項目(「ロジック(ロジックID)」~「TT」)の設定値が引き継がれていく。
新規発注時にTPおよびLCを設定していれば、いわゆる「イフダンOCO注文」と同等の動きとなる。
TPとLCは値幅設定、価格設定どちらでも良い。プログラムは5000未満を値幅と認識し、5000以上を価格と認識する。0は設定なしと認識する。
TCは引け決済の指定。TSとTTはトレールの設定。詳細は割愛する。
なお、分割発注時は、新規注文をそれぞれ発行すれば良い。約定すれば、別「建No」となりグリッド1の行が分割発注分できあがる。
自動売買による玉、裁量取引(手発注)による玉が混在しても、建玉のロジックIDを見れば区別がつく。
また、メモ欄、ロジックIDが空白のものや建玉とのひもづけのない決済注文は、本ツール外で発注したデータとみなすことができる。
板発注をする場合は、「板発注」チェックボックスにチェックを入れ(複数チェック可)、板をダブルクリック。
グリッド1や2で既に注文がでている行に対し再度板発注をかければ、注文変更となる。
分割決済時は、該当建玉の「数量」欄を修正して板発注すれば分割される。(同一「建No」の行が増える)
ちなみに、決済注文時は、板のダブルクリックした列が「価格」列であれば逆指値注文となる。(トリガー後成行)
「売数」列、「買数」列では指値注文となる。
なお、このスクリーンショットはオンラインモードのもの。
オフラインモードのチャート再生機能からも本画面を呼び出せるが、このときは板枚数は表示されない。
チャート再生機能では、ティックの動きは再現できるが、板の枚数までは再現できない。
この画面、自動売買と併用せず裁量取引だけの場合は、画面の右1/4程度を表示させておけば新規~決済まで操作できる。
左3/4をモニターの外にするか、チャート画面の背面になるよう画面配置すれば良い。
ただ、裁量取引だけであれば、特にスキャルピングの場合は、本画面を使わず、証券会社のツール(板発注)を使う方が良い。
それをいっちゃおしまいだが・・・
板の動きは証券会社のツールの方が速い。どうしても、岡三RSSを使うと遅くなってしまう。(と言っても、1秒以内の遅れだが)
(本当は動いている板を動画キャプチャーして掲載すれば良いのだろうけど・・・、近いうちに動画の撮り方を勉強して実現したい)
2017年8月28日追記
動画を作成し、YouTubeにアップした。
(画質:1080p、全画面表示での視聴が最適)