フェールソフトという考え方

「フェールソフト」は、Wikipediaによれば、

フェイルソフト(フェールソフト)とは、故障箇所を切り離すなど被害を最小限に抑え、機能低下を許しても、システムを完全には停止させずに機能を維持した状態で処理を続行(縮退運転)する設計のこと。これは信頼性設計の一つである。

とある。

「フェールソフト」は「フェールセーフ」とともに、システム設計において重要な考え方だ。(フェールセーフは、こちら

なお、フェールソフトと似た意味で、「フォールトトレラント」という言葉もあるが、用語の違いを厳密に理解することが、本記事の目的ではないので割愛する。
本記事の目的は、
「どういう障害を想定し、どう備えておくか?」
これが大事で、その一例を紹介することだ。

データ収集ツールの役割の一つは、歩値データと4本値データ(日足、分足)を取り込み、保存用データとして残すこと。
この役割は、データ収集ツールでなくとも、トレードツールでも簡単に実現可能だ。
なぜならば、トレードツールも、歩値と4本値データを常に取り込んでいるから、トレードツールにデータ保存機能を追加するだけで良い。
だが、こうしなかった。わざわざ重複する機能をデータ収集ツールに作った。

なぜか?

これがフェールソフトにつながっていく。

歩値と4本値データを取り込み、保存するだけであれば、ある程度運用すれば、バグもなくなり安定運用が可能となる。
この部分に機能を特化させ、安定運用をするのがデータ収集ツール。
一方、トレードツールは、しょっちゅうプログラム修正が入る。
他にも色々な機能を盛り込んでいるため。
そう、トレードツールはバグがでてアプリケーションダウンする可能性が高い。
この事態に備えておかなければならない。
トレードツールがダウンし、再起動しても、ローソク足データが継続すれば、アプリダウンの影響は少なくて済む。
実は、日足、分足は、岡三RSS(Excelファイル)から継続して取り込めるので、データ収集ツールが無くても問題ない。
だが、歩値は消えていく。
そして、岡三RSSにはティック足データというものはない。
このため、トレードツールを場中に再起動すると、ティック足データは前回保存していた箇所まで抜け落ちた状態となる。
データ収集ツールがあれば、トレードツールがダウン・再起動しても、何事もなかったかのように処理を続行することができる。
(厳密に言えば多少の誤差は発生するが)

データ収集ツールは縁の下の力持ちだ。

ちなみに、データ収集ツールの画面は、

これだけ。
地味な画面だ。
まさに、縁の下の力持ちっぽい。

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