MT5に日経225Mini先物チャートをリアルタイム表示させてみた

最近ふと気になった、
MT5ってどうなっているのだろうかと。

ざっと検索してみると、
国内での取り扱い業者数 : MT4 > MT5
まだまだMT4の方が主流のようだ。

ただ、MT4の機能増強は終わっているが、
MT5の機能増強は着々と進んでおり、
MT5のリリースノートである
MetaTrader 5の何が新しくなったのか』のページを見ていると、
すごい勢いで機能増強されていることが分かる。

一例を挙げると、
・2017/07(ビルド1640)カスタムシンボルが作成できるようになった
日経Mini先物チャートを表示させるのに「USDJPY」などの名を借りなくても良くなった。
「N225Mini」といった名前を新たに作成すればよい。

・2017/12(ビルド1730)カスタムシンボルシンボルを使うための関数が追加された
つまり、手動ではなく、プログラムで価格データの更新ができるようになった。

・2018/10(ビルド1930).NETライブラリのネイティブサポートが追加された
つまり、C#で開発したDLLとつながるようになった。

・2019/02(ビルド2005)MQL5のアプリケーションタイプとして「サービス」が追加された
既存の「インジケータ」「EA(エキスパートアドバイザー)」「スクリプト」では、
特定のチャート上で動かす必要があった(例えば、ドル円5分足上で動作させる、等)が、
「サービス」を使えば、バックグラウンドで動くプログラムを書くことができるようになった。
つまり、「外部システムからの価格をリアルタイムで更新する」といった活用ができるようになった。

ん!?
ってことは、岡三RSSとMT5とつなげてリアルタイムに日経225Mini先物のチャート表示ができるようになったんじゃない?
しかも、.NET環境で開発したアプリと連携できるということは、
「一度テキストファイルに落として」なんてチマチマしたことをせずともつながるのでは?

という訳で、実際にやってみた。

アプリケーションの構成は下図のようにした。

MT5のプログラミング言語はMQL5。
MQL5で先物価格を更新する「サービス」プログラムを作成する。
ただ、MQL5はExcelと直接つなげることができないので、
MT5(MQL5)からの要求に応じてExcelからデータを取得するDLLをC#で作成した。
(上図の「自作DLL」)

処理の流れとしては、
(1)1秒周期(もっと速くても良い)でMT5から自作DLLへデータを要求する。
このとき、引数として、MT5内の最新1分足データの日時と出来高データを渡しておく。
(2)自作DLLは岡三RSSのExcelファイルを参照し1分足データを取得する。
(3)自作DLL内でMT5の最新足以降のデータを出来高の変化も加味しフィルタリングする。
つまり、更新の必要なデータだけを渡す。
(4)また、岡三RSSで出来高0の足はリアルタイム生成されないので、自作DLLで補間する。
(5)自作DLLからMT5へデータを渡す。(配列で渡す)
(6)MT5内で1分足データを更新する。
(7)MT5では、1分足データを更新すれば自動的に上位足(2分足から月足まで)のデータが更新され、チャートにも反映される。

そして、実際に動いているところ。

ちなみに、MT5も自作チャート画面(以前紹介した)もどちらも1秒周期で岡三RSSから1分足データを取得している。
ネットトレーダープレミアムに対して若干の遅れはあるが、十分に実用に耐えられるレベルで動いている。
(超高速トレードを目指していない限り)
これであれば、
MT5上でEAを動かし、売買判断をMT5で実施、岡三RSSへ発注指示、
といった使い方もできそうだ。
(Excelへ発注コマンドを書き込むDLLを作る前提)
すなわち、
「MT5を先物トレードのチャート描画と売買ロジックの計算エンジンとして使用する」
といった使い方。
あるいは、
「先物の売買シグナルで、日経CFDのトレードをMT5で行う」
といった使い方もできそうだ。

すごいなMT5。
自作のトレードシステムを作る前にこれらの機能がリリースされていれば、
自作システムの構成も違ったものになっていただろう。

ともあれ、一連のMT5の機能増強により、
岡三RSSをMT5へのデータ配信サーバとして利用できるようになった。

他にも、MT5のリリースノートを見ていると、
・2020/05(ビルド2450)「サブスクリプション」サービスがリリースされた
とある。

月額200円でJPX大阪デリバティブ市場のLevel1データが購読できるようだ。
(Level2データは月額400円)
ただし、今のところ、デモ口座では購読できないようだ。
リアル口座を持ってないので試していないが、
これって、岡三RSSからデータを取り込まなくても、
月々200円払えば日経225Miniのチャートがリアルタイム表示できるってことなのか・・・!?
なんてこった・・・

MT5、ちょっと目を離しているスキにとんでもないことになっていた。

MT4とMT5、例えて言うなら、ガラケーとスマホくらいの違いがあるように感じている。
MT5も生まれた当初はガラケーで、
しかも、MT4から乗り換えるのに手間がかかるため、
誰も乗り換える気にならなかったものが、
いつの間にかスマホに進化してしたような感じだ。
なのに、いまだにMT4の方が主流って・・・

トレードの世界って、狭くてマニアックな世界なので新規参入者も少なく、なかなか新陳代謝がおきない、ということだろうか。

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