日経225先物の値動きにはクセがあると思っている。
「売りは早かれ、買いは遅かれ」という相場格言もあるくらいだ。
この格言は、売り相場と買い相場の値動きが違うことを物語っている。
実際、自動売買システムの売買ロジックを開拓するにあたり、色々バックテストをしてみたが、同じロジックでも、売りと買いのパフォーマンスが全然違ったりする。
例えば、下図の『バックテストでの確認項目は何か?そして、重視している項目は何か?』で紹介したバックテスト結果例。
これは、移動平均線のクロスをサインとしたドテン売買ロジック。
ただし、フィルター用インジケータもあり、必ずドテンするとは限らない。
パラメータの設定値は、売りも買いも同じ。
売りトレードと買いトレードでは、トレード回数および勝率は似たような数字だが、その他の項目は全然違うことが分かる。
同じパラメータ設定で売りと買いのパフォーマンスが全く違うということは、
上記格言通り、売り相場と買い相場の値動きが違うことを示唆しているのではないだろうか。
さらにテストしてみた。
先ほどの売買ロジックを売りに特化したものと買いに特化したものに分け、
2つのロジックそれぞれについてパラメータの準最適解を遺伝的アルゴリズムで求め、
準最適解どうしでパフォーマンスを比較してみた。
すると、買いに特化したロジックの方がはるかにパフォーマンスが良かった。
そして、売りに特化したロジックは、準最適解であっても、実践適用する気になれないようなパフォーマンスだった。
前回の記事で、売買ロジックを7つ運用していることを紹介したが、7つ目に作ったのが買いに特化したロジック。
このころになってやっと気づいた。
売りのロジックと買いのロジックを分けて開発した方が良いことに。
移動平均線のクロスをサインとした場合、遅行性という弱点がある。
しかし、少し遅行性があるくらいが、「買いは遅かれ」の格言にマッチするのかも知れない。
そして、「売りは早かれ」には違うサインを考えた方が良さそうだ。
ちなみに、上記格言はあくまでも、日経225先物の話。
FXではない。
FXでは、一方の売りは他方の買いの関係なので、上記格言は、論理的に破綻している。
だんだん話がそれてきた。
話を元に戻す。
そう、日経225先物の値動きにはクセがあると思っている。
この値動きのクセを深く理解し、味方につけなければならない。
しかし、今までのバックテストだけでは、それが難しいと感じている。
何と言うか、道理をよく分かっていないまま、上っ面をとらまえているような感じだ。
一応、バックテストでは売買ポイントをチャート上に描画しており、チャートを見ながら売買ロジックを調整している。
だが、それだけでは値動きのクセを深く理解するには足りないと感じている。
一方、裁量取引では、否が応でも値動きをよく観察することになる。
たとえミニ1枚でも実際に玉を出し入れすることにより、値動きのクセを深く理解することにつながるのでは、と思う。
そして、そこから新たな自動売買ロジックのアイデアが生まれてくると考えている。
前回の記事では、自動売買システムの課題として、売買ロジックの多様化が必要であることを紹介した。
現状の売買ロジックは、『売買ロジックの組み立て方』で紹介したように、インジケータドリブンだ。
(トリガー用インジケータ、フィルター用インジケータといったように。)
売買ロジックの多様化のためには、これとは違う発想での売買ロジックの組み立ても必要だと思う。
その候補として、次の売買ロジックは、プライスアクションドリブンなものを検討している。
プライスアクション、すなわち、値動きそのものに重点を置いたもの。
このためには、値動きのクセをよく観察し、深く理解することが必要だ。
なぜ裁量取引に再挑戦するのか?
それは、つまり、新たな自動売買ロジックのネタ探しのためだ。